俺は、今の会社の三代目の社長だけど

初代、二代目、三代目とお付き合い

頂いていたお客様がいて。

そのお客様である、ある会社の社長が

商売を廃業するという事で、連日、

今までお付き合い頂いたお礼もこめて

商売抜きで、事務所の片付けや、掃除

など、高齢(83歳)な社長とその奥さんの

力になるべく、時間を見つけては

お手伝いをしてきました。

事務所の受け渡しも立会い、

改めて、3代に渡りお取引頂いたお礼。

感謝の言葉を送りました。

そしたら、こちら以上にお客様に

感謝の言葉を頂きました。。

お金が儲かる儲からないを越えた

気持ちがそこにありました。

『 お客様に喜んで頂く 』

簡単そうで難しい。。

その感謝の言葉が嬉しかった。。

このお客様には思い入れが強くて。。。

振り返る事15年前、この会社に入社して

2代目社長と同行してたころ、

立ち寄ったのが初訪問でした。

紹介され、初めて言われた言葉・・・。。

『 いいか、俺は、新人なんかと取引しない、

俺のとこは社長が来てくれ 』

な~~んだ、この人は~~プンプン

第一印象、最悪パンチ!

行きたくないなあって、さすがに俺も思ったけど

そこは、負けたくない俺がいて。。

一人で二度目の訪問。。

『 社長じゃないとダメだ。

いいか、よく聞け、俺は車で言ったらクラウンだ。

お前は軽自動車 』 

『 違いがわかるか?』 

ん~強烈ガーン

なかなか手強い。。

こんなお客は相手にしないという

都合のいい逃げは俺にはなかったから

これまた偏屈。。

その当時の俺は、頭を抱えるどころか

この偏屈な社長を、どうやって

攻略しようか? いつも考えてた。

余裕のクラウンより、必死な軽自動車の

方が強いだろが。。って。

この社長。。

行けば、話しながらキレる。。

ケンカ大好き。

何回か衝突して、2代目に同行を

お願いした事もあったなあ。。

確かにとんでもない人だったけど

戦後から50年間の商売を夫婦で

経営し、今、倒産ではなく、

誰にも迷惑かけず廃業する。

経営者ならわかると思うけど

廃業が出来るってのは、素晴らしい。

とにかく、怖くてうるさくて、細かくて、

だからこそ記憶に残るお客様なんだけど、

そんな社長と、最後に食事に誘われて

初めてゆっくり話した。

商売を廃業し、なんだかおだやかになった

社長が、最初に話した事。

それは、

『 〇〇君、初めて会社に来たときの事

覚えてる?』

俺:強烈に覚えてますけど・・・

『 君に言ったこと覚えてるよ、

当時の私は来る人皆にあ~だった、

でもね、仕事場は戦場だからね。

新人の君が、会社の看板背負って

どこまで戦うのか見てたんだよ』

『 覚えてる? 君、軽自動車だって

全力なら、クラウンに勝るって俺に言ったの』

!! 

思ってるだけじゃなくて、言ってたんだあ叫び

『 それ、本当だったね。

あの新人さんが、今じゃ社長だからなあ、

貫禄付いておだやかで、こんなに頼りに

なるなんて思いもしなかったよ。

いろいろお世話になってありがとう 』

この言葉、嬉しかった。

身内以外の、83歳の大先輩に

『 ありがとう。。』

なんてあんま言われた事ないし。。

『新人の頃、仕事なんか出来るわけないけど

仕事をする熱意は素晴らしかったね。。』

あんま褒められるとムズムズする。。。

俺が、社長になった時、出した挨拶状。

ありきたりの文章じゃつまらないから

想いを込めた挨拶状にした。

郵送した翌日、

『 この文章おかしいだろ、謙虚さなんかいらないんだよ、

想いを込めるなら、やる決意を文章にしろよ』

って、一番に電話してきたのもそういえば

この人だった。にひひ 

振り返ると思い出がいっぱいだけど、

こんな人もそういないし、

もう二度と、この社長と、こんなやり取りを

する事もないと思うと寂しくも感じるなあ。。

初代、二代目、そして三代目の俺から改めて

36年に渡るお取引ありがとうございました。

お元気で。。。